個人ニュースサイトを終わらせるには

SBMとかのRSSを活用し、個人ニュースサイトを見なくなってから

個人ニュースサイトを見る奴が情弱に見えるようになった。

はっきり言って彼らは終わってるだろう。まず個人サイトが終わっているということ。

pixivやニコニコ動画を見てもわかるように今は個人サイトの時代じゃない。

なのに未だに個人サイトなんかやってる。終わってる。

個人ニュースサイトは既に終わったジャンル

maname:はてなブックマークが出てきた2005年2月、「これで羅列ニュースサイトは終わった」ってあちこちで言われたよ。その結果がこれですよ。http://d.hatena.ne.jp/maname/20081126

じゃ、終わらせてみる?

確かにRSSSBMが登場したことにより、個人ニュースサイトのWeb上の最新情報を拾うサービスとしての価値は完全に失われてしまいました。速報性・利便性は今後絶対に勝てないでしょう。
じゃあなぜ個人ニュースサイトが消滅してないのか。それどころか、なぜむしろアクセスを伸ばしているのでしょうか。単に過度期というには期間がかかりすぎてますよね。ネットの性質を考えれば、本当に置換可能なサービスは、一気に入れ替わります。日記CGIがブログに置き換わったように。また、Flashがニコ動に置き換わったように。

この事実を無視して個人ニュースサイトは終わったとは言えないでしょう。なぜ、一見時代の逆行とも思える現象が起こっているのか。本エントリではその理由を考え、個人ニュースサイトには何があり、ニュースサイトという仕組みを本当に過去のものにするにはどうすればいいか主張していきたいと思います。

ちなみに個人ニュースサイトが嫌いというわけではなくてむしろ好きなんですが、ニュースサイトの不便さがどうしても鼻について巡回しなくなってしまっています。そして、以前にも書きましたが、SBMRSSリーダーにも嫌気がさしていて、これらのシステムもそろそろ過去のものにしたい。そのため、この三者をうまく取り持つ、サービス形態というものを考えていこうというのが本エントリの趣旨です。


まず両者の媒体の性質を確認しておこうとおもいます。次に各サービスの性質を列挙します:

  • SBM
    • 数人がブックマークした記事が取り上げられる
      • 速報性はニュースサイトに比べ高い
    • 複数人のブックマークが読める
    • 各々は好き勝手ブックマークしている
    • コメント長に制限がある
    • デザインにかなり厳しい制限がある。
  • 個人ニュースサイト
    • サイト主が気に入った記事が取り上げられる
    • 一人(=サイト主)のコメントしか読めない
    • その日気に入った記事の中から、選定した記事を紹介している
      • 速報性はSBMに比べ低い
    • コメント長には制限がない
    • デザインの制限などない
      • 掲載順やカテゴリの自由が効く

こうしてみると, 個人ニュースサイトSBMと出来ることはほとんど同じですが、個人ニュースサイトのほうがサイト主が行うことが出来る裁量(編集権と言ってもよいかもしれません)が大きいということがわかる。そして、この裁量がニュースサイトがSBMに取って代わられていない理由だということが推測できるでしょう。

ここからは俺の主張になりますが、ニュースサイトがSBMより優れている点は二点あって、個人による記事の選定とサイトの雰囲気を作ることができることだと思っています。

まず個人による記事の選定ですが、SBMも個人の選定基準により選んでいると思われがちです。しかし、そんなことはないと思います。取り上げたくてブックマークする人もいますが、とりあえず何かコメントしたくてブックマークする人もいるようですし、惰性で登録する人も結構いるようです。その点ニュースサイトだと結構シビアで、紹介したい記事って実際に紹介している記事数よりずっと多かったり、あんまりみんな紹介しているから差別化を図るためにわざと避けたり。読者に好まれそうとか、
選定基準は様々ですが、紹介数を絞っているんですよね。きちんと自分の判断基準を持って取り上げているというか。そういう人が紹介する記事のほうが読みたくないですか?俺はこちらのほうが読みたいですね。まぁ例外もいくつかあって、ひたすら記事を沢山紹介するところもありますが、そういうところは、差別化が図りにくいのでどこかのサイトの独壇場になりやすいですし、なかなか体力が続かないでしょう。

基本、記事数を削ることにより判断基準を明確にしている個人ニュースサイトが多い。これがまず第一点。

もう一つ、サイトの雰囲気ですが、この要因は絶対あると思います。ほら、全く同じことを言っているのに、言葉の重みが違うことってあるじゃないですか。そういう部分があるんですよね。ニュースサイトは何か意見を主張するわけではないですから雰囲気はどこから生まれてくるというと、記事の選定基準と、紹介順序やジャンルの分け方、サイトデザイン等から解るその人の人柄なんでしょうね。SBMには人の温かみと言ってしまうと陳腐ですが、そういうものが無いから、よくないんじゃないかなと思います。

だから、SBMはそういうものを取りこめたら、ニュースサイトは本当に過去のものになるんじゃないかと思います。今のSBMはどうみても完成形じゃないですよ。

fuktommy:中の人の情報収集・選択・編集能力は高いと思うので、個別のリンクをSBMに登録してくれたら読みやすいのになあと思う。朝目新聞もそれで読まなくなっちゃったし。個人ニュースサイトで読んでるのはよこたんとこだけ。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://anond.hatelabo.jp/20090209235643

いくつかのニュースサイトにヒアリングをして、ニュースサイト更新ツールを提供するとともに、現在の多くのニュースサイトのデザインそのまま表示出来るSBMを作ったら、ニュースサイトは本当に過去のものになってしまうでしょう。実際いくつかのニュースサイトさんは更新用ツールを自分で作っているそうですし、そういう未来は考えられるのではないでしょうかね。

ちなみに、結局のところSBMも人気の高い(すなわち被お気に入り登録数が多い)ユーザがブックマークした記事がホッテントリに残るんですよ。5userの記事が今後100user以上行くか否かを予測するというサービスを以前提供していましたが、非常に簡単な方法で6割くらい当てられました。人気の高い人が紹介した記事が流行るのはニュースサイトとまったく変わらないんですよね。ニュースサイトオワタと言っている元増田はこの辺解っているんでしょうかね。


そういえば、あんまり関係ないかもしれないんですが、昔々1回だけ朝目新聞に取り上げられたことがあります。朝目新聞は沢山紹介するところですが、紹介されたとき、1秒で閉じる人が非常に多かったんですよね。朝目新聞から見にきていた人は、取り合えずサイトは開いて見出しと本文だけ見て、その中で自分の肌に合う記事だけを読むという手順を踏んでいるように、アクセス解析の結果から読み取れました。つまり、ニュースサイトをネット上ではどんな話題があるのかを知るためのヘッドライン的な意味合いしか持ってなくて、自分の判断基準で読むかどうかを決める、という人が多い印象を受けました。

SBMとかのRSSを活用し、個人ニュースサイトを見なくなってから

個人ニュースサイトを見る奴が情弱に見えるようになった。

個人ニュースサイトは既に終わったジャンル

自分で読むかどうかを判断して読むのと、多くの人が推薦するから読むのと、どっちが情報リテラシが高い人で、どちらが情報弱者なんでしょうね。

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