ブログの議論を全体のリテラシーにフィードバックするには
でも、それって全体のリテラシーにフィードバックされているの?
WEB上に文章を書くと言うことはどこに意味があるの?
から始まったブログで議論を行うことについての議論を読み返して。
俺はまとめを作ることを提案しましたが、それ以前に議論に参加した人が意見を正しくフィードバックしていないことをnorthさんは指摘しました。
議論を行うつもりで、相手と意見を交わすつもりで意見を書いたのならば、フィードバックとして投げ返された意見をちゃんと自分の意見の中にフィードバックすること、さらにその結果を読者にフィードバックすること。 議論という枠組、意見のやりとりを伴ったコミュニケーションを行うに足る書き手であること。ブログというインタラクティブなシステムに見合ったインタラクティブな書き手であること。
http://d.hatena.ne.jp/north2015/20080115/1200406444
また、ネット内外にかからず議論が成り立たない理由をhasidreamさんとtek_kocさんは指摘しています。
ネットでは、相互が納得する形にまで議論が整理されるということはなかなかありません。記事としての単価が高いというか、一つの記事で完結することが多いから。リアルで何かしらの会議の際、むだな議論がえんえんと続くという辛い経験はだれしもあります。それは議論が「目的意識」を失っているからだと思うんだけれど、ネットの場合は、そもそも記事ごとに「目的意識」が違う場合もある。意見が並列したままで終わってしまってそれを統合する意識がはたらきにくい。
http://d.hatena.ne.jp/hasidream/20080112/1200154214
ネット内外を問わず、議論が成り立たない最大の理由の一つは定義付けをしっかりしてるかどうかだと、僕も思います。
http://d.hatena.ne.jp/tek_koc/20080112/1200095449
これらがネット上での議論が上手くいかない原因なんではないでしょうかね。
ここまで定義することなく、単に議論といってきましたが、僕らが想定している(だろう)議論は実際のところ、「ブロガー同士で共通意識を持つための話し合い」としての議論でしょう。しかし、ここで想定しているような議論と、そうでない議論があることも指摘されています。
議論と呼ばれているものの多くは、ブレインストーミングのようだと思ってます。言い合いありの、自分の考えている事アウトプット大会。
http://d.hatena.ne.jp/tek_koc/20080112/1200095449
ブログという仕組みを使えば議論ができる、それはもしかすると素晴らしいことなのかもしれない。でもねえ、私たちそもそもそんなことのためにブログを書いてないよね、ということ。
http://d.hatena.ne.jp/north2015/20080115/1200406444
そうは言っても、ブログスフィアとかTwittersphereとか、その他コミュニティを良いものにするために行う議論の価値はあるわけで、「ブロガー同士で共通意識を持つための話し合い」としての議論」としての議論を考える価値はあると僕は考えます。
と、ここまではネット上の議論が何故上手くいかないのかを見ていきましたが、上手くいった議論も忘れ去られてしまっては意味がありません。いや、面白ければ良いっていうのもあるけど、論争とか何度も繰り返したくないですよね。ここからは何故議論が全体(ブログスフィア)などにフィードバックできないのかについてまとめていきます。
これの直接的な原因は私とnorth2015さんが述べています。
ブログでの議論って、流れが細分化された末、よく結論がわからないまま終わってしまう。
キチンとフィードバックされる仕組みはブログにはないんじゃないか。 - ブログ執筆中
トラックバックで広がっていく話題についてはまとめが欲しいと思います。それもリンクを張るだけではなくて、議論の流れが解るように引用し纏められたものが欲しいです。
議論を続けるにしろ、続けないにしろ、理由が感情的であれなんであれ、自分の意見が、感想が、思いが変わったかどうかという結末くらいは書いておいて欲しい、ということだ。変わったでもいい、変わらなかったでもいい、言っていることがわからなかったでもいい、何かしらまとめられてないと、読みにくてしょうがない。
http://d.hatena.ne.jp/north2015/20080115/1200406444
私はまとめが欲しいと要求していますが、まとめが多くの場合無いわけで。その理由についてはnorth2015さんが述べています。
要約
例えば情報をまとめるにしろ、前提としてそういうある程度の結論がそれぞれになければこれはまとめようもない。ならば、余裕があり、かつ正しく読み込み整理する技量がある人がかなりの労力をつぎ込んで議論を読み込み引用し流れを自分を出さないように注意深くまとめた結果、としてできるものは、結果まで至らない尻切れの議論の寄せ集めになるだけだろう。それを意味のあるまとめにしようとすれば、単に整理することを越えて、議論をまとめなければならない。てんでばらばらな全体を読み込んでそれぞれの意見から絡み合いズレ続ける論点を整理し、各々のブログで提出されている意見の傾向を分析しぶつかるべきものを考え、そこで起こっている議論の断片に沿って(作者も保留したままの)一応の結論らしきものまで出して、議論の流れとしてまとめてみせる、という、ほとんど新たな研究といえるくらいのやり方が恐らく必要とされてしまう。考えるだにしんどい。でも、そうしなければ、ズレ続ける話題の羅列になってしまうような気が、確かにする。
http://d.hatena.ne.jp/north2015/20080115/1200406444
結局のところ、共有されないのは結論がはっきりしないから、これに尽きるんでしょうね。
今回の議論で取りざたされた、ネットでの議論の問題点を見ていきました。では、実際に議論を良いものにする方法について考えていきます。
といっても原因を裏返しに見るだけです。議論を良いものにするには以下を心がければ良い。
- 議論を最初に展開するブロガーは目的を提示する。
- 目的意識がばらばらのせいで議論が成り立たないのであれば、統一すればよい。そのために、先鋒を往くブロガーが目的を提示する必要があるだろう。
- 複数の意味を持つ用語を用いる場合、エントリ内ではどのように使うかあらかじめ断っておく。
- あまりにも一般的な用語なら必要ないが、誤解を招きそうな用語(特に流行語など)は定義をしっかり書いてから用いるべきでしょう。
- 各書き手は結論を提示する
- 結論を提示しないから、議論が発散する。提示しよう。
- その他、書き手が議論という枠組に沿う、意見のやりとりを伴ったコミュニケーションを行うこと。
- 他にも憂慮する点はいくつかあるでしょう。
ただ結論の提示の仕方については工夫する余地があります。今回の議論にはありませんでしたが、ブログヘラルドにて結論を提示する良い方法が示されていますので、こちらもあわせて載せます。
私は自分のブログで引用部分を目立たせるWordPress(ワードプレス)のプラグインを使い始めた。見た目もよく、テキストを分断し、すくい取りやすくなる。しかし一番大きなメリットは、引用してもらえる可能性が高まることだ。有望なテキストの一部を見つけてもらうために記事をじっくり読み進んでもらうのではなく、引用に向いている部分を自ら提案することで、探す人達の負担を減らすことができるのだ。
http://jp.blogherald.com/2007/12/10/is-your-blog-quotable/
さて、議論が上手くいったら、次はそれを還元するために出来ることをしましょう。議論を共有するには以下のことをやると上手くいきそう。
- 各書き手は結論を提示する
- まとめを作るうえで、きちんと結論を書いてくれないと纏めようがありません。その際、引用とかで分かりやすいしておくと○
- 積極的にまとめを作ろう
- まとめを作る人がいないとまとまりません。こういうの知識が無くても出来るじゃないですか。いい経験になると思いますし、やると良いんじゃないでしょうか。
議論を有意義なものにしましょう。
あちらこちらのエントリを参照したので、このエントリのまとめ。
- このエントリにおける議論
- ブロガー同士で共通意識を持つための話し合い
議論が成り立たない原因
- 書き手が議論という枠組に沿う、意見のやりとりを伴ったコミュニケーションを正しく行っていない。
- 用語の定義をあいまいにしたまま議論をはじめる。
- 記事ごとに「目的意識」が異なる。
ネットで議論と考えられているものは2種類ある。
- ブレインストーミング
- あるコミュニティを良いものにするためにブロガー同士で共通意識を持つための話し合い
議論を共有できない原因
- 各書き手が結論を提示しない
- まとめがなかなか作られない
まとめがなかなか作られない原因
- 各書き手が結論を提示しない
議論を良いものにするには
- 議論を最初に展開するブロガーは目的を提示する。
- 複数の意味を持つ用語を用いる場合、エントリ内ではどのように使うかあらかじめ断っておく。
- 各書き手は結論を提示する(引用とかで分かりやすいしておくと○)
- その他、書き手が議論という枠組に沿う、意見のやりとりを伴ったコミュニケーションを行うこと。
議論を共有するには
- 各書き手は結論を提示する(引用とかで分かりやすいしておくと○)
- 積極的にまとめを作ろう