エントリの価値を考える

ニュースと呼べるニュースの数は変わらず、役に立たない情報の数は増加している。新しく、興味深い情報を実際に提供しているブログの数は非常に少ないのが現実なのだ。

http://jp.blogherald.com/2008/01/07/the-end-of-the-attention-free-ride/

確かにそういう記事は多くない。しかし、それ以外の記事というのは本当に無価値なものなのだろうか。

俺が考えるエントリのジャンルは5種類あると僕は考えている。

  1. 新しい記事を紹介するエントリ
  2. 新しい記事に対し言及するエントリ
  3. 古い記事を紹介するエントリ
  4. 古い記事に対し言及するエントリ
  5. 独自の記事を書くエントリ

この中で、クリスは2のエントリが多く、その情報が重なっていて、価値ある情報が得られないことを嘆いている。また、5に該当するエントリが少ないことも嘆いている。

クリスは2と5に該当するエントリ以外については何も触れていない。しかし、他の記事は価値は認められるのか。1,3,4に該当するエントリについて、このエントリでは検証していく。


1 に該当するエントリを集めたブログ・サイトは日本ではニュースサイトと呼ばれていることを鑑みれば、日本では最も隆起しているエントリのジャンルだと言える。無価値とは考えにくいが、なぜニュースサイトをやっているのですか、という問いに対して自分が納得する理由のみを公開している人が殆どであるように見受けられる。

私の場合は誰のためでもなく、自分のためにニュースサイトを運営しています。

というのも、私が今現在カラスの巣を運営している理由は巡回するためなんです。

よなかのとり ニュースサイトさんってどうしてニュースサイトを運営しているの? byカラス

自分がやりたいから? 

http://d.hatena.ne.jp/RORA/20080107/1199683952

俺は社会で何かやっていく時に、あなたは何故これをやるのですかに対し必ず自分が納得する理由と社会的理由について考えなければならないと思っています。自分が納得する理由がなければやっていても辛いだけですし、社会的な理由を持たなければ独りよがりなものになってしまいます。社会的理由とは、今社会に寄与しなくても、なんらかの影響を与えればそれでよいから、きちんと物事に対し社会的な意味をつけるべきなんだろうなと非常に個人的には思っています。

だから、明日は明日の風が吹くさんの立ち位置は個人的には非常に参考になります。

ネットで色々見てたら面白いネタがあって「これ面白いよ」って感じで気楽に紹介してたのがきっかけ
(中略)
 面白いネタは皆で共有したいし、その話題について語り合いたいし。だから紹介しつつ私の考えも書いておく。それを見て誰かが「私はこう思うよ」って書いてTBでもしてくれたら、大喜びって感じかな。ニュースサイトとテキストサイトの間ぐらいの感覚かもしれない。

http://d.hatena.ne.jp/yas-toro/20080106/1199630468

面白いことを皆で共有すること、その話題について語り合いたい。そのきっかけを提供する・・・これが1をやる本質的な価値でしょう。



3も紹介なので、1と同様と捕らえがちですが、過去の記事を扱うというだけでだいぶ違います。
過去の記事というのは大量の新しい記事によって淘汰され、インターネット上に既に存在しないものとして扱われていることが多いです。それをわざわざ発掘して紹介するなんて正気の沙汰と思われてもしょうがない(笑


「時の試練」なんて言葉があるように、人々の心に残り続けることは大変なことなのです。


でも、それでもあえて紹介するということは、そうするだけの価値がその記事にはあるということ。それを紹介するにもエネルギー・技量が要るんじゃないかと思います。



4に該当するエントリの代表的なものは〜論だろう。ブログ論とかトラックバック論とか。過去にブログについて散々議論されてきたが、今の情勢と照らし合わせて、今ブログがもつ役割とは何なのかを探っていくなどは、4そのものでしょう。これらは常に古くも新しい議論なわけです。


こういった行為から、例えば地動説は発展したりしている。昔、天動説が人々の常識になる前に、地動説を唱えた人は居た。それを発掘・検証したのがコペルニクスだったりするわけで。4に該当するエントリが無価値とは到底思えません。


ただし、既に大量の議論がそこにはあるわけで、そこに参加することは容易ではない。これを書くエネルギーも相当かなという気がします。



俺の考える価値の順はこんな感じですね。

5>3>4>2>1

1,2は価値低いですね。でもだからこそ、1を提供するニュースサイトは1回に大量のエントリーを紹介するし、2を提供するブログは新しい視点を書くべく長文になりやすいのかなと思った次第。