ブログの公開領域と非公開領域、競争領域と非競争領域

大学院の前期中、R&D(研究開発)で如何に競争相手となる他社と協力するか、というケースの話を聞いた。例は燃料電池だったんだけれども、同じ話がこの無料経済でも言えるんじゃないかなーと思い、今回のエントリを書いている。

ブログを書くにはネタがいる。ネタはどこからか入手してこなければならない。他のブログと差別化を図るには、どこかしら非開示の項目を残す必要がある。

VIPブログであれば面白いスレッドの入手経路であったり、書評ブログであれば良本をどのように発掘するかであったり、テキストブログであれば斬れるネタを如何に発掘するかであったり。このような題材の発掘経路は数年前までは当たり前のように非開示にされていた。

しかし、今はSBM、フィードアグリゲーター等、巡回先を公開できるサービスがある。そのため、ネタの入手経路すら開示してしまうことができる。ただし、ネタの入手経路すら開示しても競争領域を確保できることがある。それはネタの料理の仕方である。人がしないような観点での意見が出来るのであれば、そのブログは人気を博すだろう。つまり、ネタの探し方でも料理の仕方であっても、競争が出来るだけの非開示な得意分野を作ることができるならば、そのブログは戦えるということである。

一方で、ブログでは開示することで人気を博すことがある。以前お気に入りブックマーカーを紹介することでほってんとり入りを果たしたブロガーがいた(煽ったのは俺だが)。この人もそんな例の一つである。別に彼にとってはお気に入りブックマーカーは競争領域ではなかったので、紹介することに抵抗はなかっただろう。しかし、非開示にもできた項目である。これを開示したことで、ほってんとり入りを果たした。ここから読みとれることは非競争領域を積極的に開示すればアテンションを得られる(可能性が高い)ということだ。

以上を整理すると、競争領域は非開示にすべきで、非競争領域は積極的に開示するのが、ブログにとって最もアテンションを得、かつ競争力を失わない方法だと言える。

じゃあ、問題は次のステップに進もう。すなわち、どこを競争領域にするのか、ということだ。ブログの競争領域の候補は先ほど挙げた2つになるだろう。すなわち、

  1. ネタの入手経路
  2. ネタの調理の仕方を工夫する

先ほども述べたとおりネタの調理法さえ確保できればいいので、2だけ非開示にすれば良いと考えるのは早計である。ここで注意して欲しいのは時々2の選択肢が取れないことがあることだ。VIPブログなんかはそれの極例だ。面白い記事を見つけるまでが大変な仕事で、あとはそれを整理するだけである。整理する作業は如何に早く作るかとか、如何に読みやすくするかというコツは有るだろうが、差別化を図りにくい作業であると思う(もしかしたら、レスの選定で差別化を図れるかもしれない。中の人でないので判りません)。

そんなタイプのブログである場合、必然的に1の戦略しか取れない。自らのブックマークを研究されて真似されたら、自らのブログの優位性をつぶされてしまうので、少なくともネタの情報源は、SBM等で公開することが出来ない。いや、逆に2を開示することだって出来る。

このように競争領域と非競争領域はブログの種類によって変わってくる。また、ブロガーごとにも違うこともある。大切なことは、競争領域はどこか、すなわち自分が、自分のブログの優位性はどこかを捉え、それを踏まえた開示戦略をとることなんじゃないでしょうか。

ブログやってると軸が定まってくるってよくブロガーは言うけど、こういうことなんだろうなと書いていて思いました。自分の、自分のブログの優位性を意識するようになる。これが自分の軸を定める要因になっているんでしょうね。

あ、俺今少し軸定まった。