映画で体験を売る方法を考える

さて昨日のエントリで体験でコンテンツのお金を回収する実例としてカラオケを示した。本エントリでは同様のことを映画について考えていきたい。このエントリでは、あくまで外へ出て行う行為に対して対価受け取ることでコンテンツのお金を回収する方法について考えています。コンテンツの広告で稼ぐ方法や、コンテンツのDVDで稼ぐ方法は関連で扱っていますので、そちらをご覧ください。

映画の「体験」を売るのは僕の考える限り3つしかない。

  1. 映画館で映画を見る
  2. テーマパークでアトラクション化する
  3. 実際に映画に参加する

映画館で映画を見る

映画の「体験」として真っ先に上がるのが映画館での鑑賞でしょう。音響のよさ、スクリーンの迫力などは、自宅で鑑賞するのと比べ物にならず、体験として対価を払うのにふさわしいと考えます。

しかし、カラオケと比較すると解るのだが、映画館での鑑賞には一つ問題点があります。それは、カラオケでは最新曲のみならず昔の曲でも歌うことができる一方で、殆どの映画館では最新の映画しか鑑賞することしかできないことです。これは、現状のスクリーンの数を考えれば容易にわかることで、昔の作品を上映するほどのスクリーンがないからだし、そして、ニーズも最新のほうがどちらかというとある。古い作品は評価が固まっているので客は安定して入ることが予想されますが、所詮ニッチであり、大規模のスクリーンでは赤字必至です。


それに対応する形なのかどうなのか判りませんが、席数が少ないスクリーンが増えているようです。こういうところでは過去の作品を上映することもあります。


また、個人的に期待しているのが個室式のスクリーンです。映画館としての試みでは、エクスワイジー・シネマズ蘇我というところでやっているようです。行ったことは、ない。

X、Y、Zの3つの個室型シネマルームのレンタルを行ないます。小さなお子様がいて、映画館になかなか来れないご家族や、お気に入りの作品を劇場並みの音響スペックでご覧になりたい方に対応できる、新しい映画鑑賞をご提供します。

2時間まで 3時間まで 延長30分
シングルパック(1名様ご利用) \700 \900 \300
ペアパック(2名様ご利用) \1,300 \1,600 \500
グループパック(3〜5名様ご利用) \2,000 \2,500 \800
パーティパック(6〜12名様ご利用) \2,500 \3,000 \1,000
ティ・ジョイ

このような形式であれば、俺は喜んで金を払いにいきます。ただ気になるのは、鑑賞する映画はDVD持込だということです。これでは、著作権者にきちんと還元されません。

場所はもちろん、シネマコンプレックスの「XYZ CINEMAS」。ここには、記事で取り上げた12のスクリーンにくわえ、「THE PRIVAXYZ」(ザ・プライバシーズ)と呼ばれる3つの個室型シネマが用意されている。利用者は時間単位で部屋を借り、手持ちのDVDソフトなどを持ち込んで、映画館のような環境(映画館だけど……)で楽しめるという。料金は2時間で映画一本分程度と手頃だ。

“第3のシアター”のススメ - ITmedia NEWS

著作権料を還元するには、個室では非常に不便です。結局、映画にもJASRACのような著作権管理団体が必要だということなんでしょうね。あとDVDプレイヤーとは異なる、専用の上映機も。

テーマパークでアトラクション化する

こちらも昔からやっている手法ですね。ネズミーランドUFJなどです。このように、事業化してしまうことで結果的に対価を回収する方法もあるわけです。もちろん、テーマパークとして定着するためには、そこで使われるマスコットも愛されるものでなければならないですが。特定の作品しかこの手法は適用できないのが難点ですね。

実際に映画に参加する

体験型ってやつです。これは行われている例があるかどうか判りませんが、映画作品の中に実例があります。「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」で、20世紀博というものが開催されるんですが、過去の特撮やアニメのキャラクターになりきって撮影するというアトラクションがあります。同様のことを、多くの他の映画でやろうというもの。こちらも特定の作品しか適用できそうにないです。CGを使っている作品は、撮影風景地味ですんでアトラクションとしての形を成さないと思います^^; ただ、多くの映画では出来そうですね。

でもこの金額ってすごく高そうです。金持ち向けかもしれませんね。



今回思いついたどの方法も、既にどこかでやられているものでした。他に考えられるものありますかね。

まとめ

映画を体験する方法

  1. 映画館で映画を見る
    1. 大規模スクリーンで見る
    2. 小規模スクリーンで見る
    3. 個室スクリーンで見る
  2. テーマパークでアトラクション化する
  3. 実際に映画に参加する

問題点

  • 大規模スクリーンで映画を見る場合は最新の映画しか見れない
  • 個室スクリーンでは著作権料を徴収できる仕組みがない(映画版JASRACや映画版カラオケ機材が必要?)
  • テーマパーク、実際に映画に参加は特定の作品しか試せない
  • 実際に映画に参加は参加費が高い