Twitterとはチャットルームを集約したチャットである

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http://d.hatena.ne.jp/tomity/20080103/1199368236
をリライトしたものです。


Twitterは何故かチャットに喩えられます。そのカテゴリーがミニ”ブログ”という名前を呈しているにもかかわらず。

おそらく利用している殆どの人は気付いているのだろう。Twitterの本質がチャットであることを。

twitterとは、始まりも終わりも必要ないチャットである。

F's Garage @fshin2000 :twitterとは始まりも終わりも必要ないチャットルームである。

まずは、チャットとTwitterのそれぞれ性質を見ていくことで、チャットとTwitterは同質のものであることを見ていきます。


あなたチャットルームを複数開いた経験ありませんか?現在のようにWeb上にあるチャットルームが減ってしまった昨今では、同時に複数にチャットルームを開くことは少なくなりましたが、メッセンジャーSkypeなどのIMで、複数の人およびグループと会話することはままあるかと思います。

あっちではスポーツの話で花を咲かせ、一方こっちでは初音ミクの話で花を咲かせ、そっちでは恋愛話をしたり。

チャットは複数のチャットルームでやるのが、当然ですよね。


また会話に焦点を当てると、

hoge:記事更新しますた。
hage:そういえばクリスマスリアルタイム更新するんですか?>hoge

みたいに、チャットは1対1と1対全体が連続的に起こることで成り立っていることが解ります。特定人物に話題を振ったり、全体に話のタネを落としたり、そういう行為を交互にやっていくことで、チャットは活性化していきます。


チャットについて纏めると、

  • チャットの利用者は同時に複数のコミュニティに存在
  • 1対1と1対全体が連続的に起こっている

Twitter を見ていきます。TwitterではつぶやきはFollowersの全員に届けられます。これをFollowerの立場から見れば、Followingしている発言は見ることが出来ます。これはReplyでも同様です。よって、お互いにFollowしているユーザー同士では会話が成立するようになります。


Twitterのサービスを作ってたり、Twitterのサービス自体は結構深くまで理解しているつもりなんですが、ずーっと疑問だったことがあります。それは、TwitterのReply(@)は人に対して行うんですよね。メッセージじゃなくて。まぐまぐなんかだとメッセージに Replyできますよね。技術的にはこの仕様が鬱陶しかったんですが、なぜそのようになっているかを考えると面白い。


Twitter はメッセージをエントリとして見ていないのではないかという推察ができます。つまり、メッセージを相手への言葉どおりメッセージとしてみているのではないかという考えです。これから、@はつぶやきに対する反応というよりかは、誰かに話しかけるという側面のほうが強いと考えられます。


また、つぶやきは自分のFollowersに対して呼びかけています。ですから@とつぶやきを行っていくTwitterは実は1対1と1対全体を行っているんですよね。

Twitterについてまとめると、

  • TwitterのユーザーはFriendと会話可能の位置に居る
  • 1対1と1対全体が連続的に起こっている


こうしてみるとチャットとTwitterと概念としては同じで、Twitterのほうがややシンプルだということが見えてきます。Twitterは自分が居たいと思うチャットルームが集約されたみたいなもので、そこに入れさえすれば、全員とコミュニケーション可能の位置に居れるようになります。面白いところですね。



しかし、ここまでの理由を見ている限り、Twitterのほうがシンプルであるという利点があるにはありますが、Twitterがチャットを駆逐するほどではないと思います。にもかかわらず、Twitterはここまで広がってしまいました。 Twitterのアカウントを取らなきゃならないので、チャットより断然導入コストは高いはずなのに、チャットの見る影がなくなってしまうほど流行ってしまいました。なにがギークたちをそこまで熱中させたのでしょうか。


そう考えた時に、Twitterはチャットルームを集約することの意味に気付きました。ルームを統合することで、ルーム内にあったすべてのメッセージを追うことが出来なくなります。いや、Followersが少なければ追うことは不可能ではないですけれど、結構大変なはずです。しかし、この情報の濁流に流されないメッセージがあります。そう、Replyです。 Replyはつぶやきによって流されること無く参照することができます。この機能があることで、Twitter上では数時間前、数日前にReplyされたメッセージに対してさえ反応することができます。この非同期性が面白い。

非同期であるとどうなるか。それは、自分がチャットルームに居る時間が短くてもよいということを意味します。サービスに接続する時間が短くても、会話ができ、コミュニケーションを図れるということ。チャットも気楽なコミュニケーションツールですが、Twitterでは比にならないほどコミュニケーションを図るのが容易です。ここにギークたちは引かれたんだと思います。まさに進化したチャットやね。



Twitterとは「チャットと性質は同じで、チャットより手軽に使えるようなサービスだが、チャットより非同期にコミュニケートできるサービス」であるといえます。



これからTwitterをはじめる人が現れたら、俺はこのように答えると思います。
Twitter?チャットみたいなものだよ。ただし、自分が話をしたい人がチャットルームに常に居て、好きなタイミングで話しかけても、しばらく待てばきちんと反応が帰ってくる、そんなチャットさ。」


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