mixiは閉鎖性を強めていくべきである。

http://japan.cnet.com/blog/takahito/2008/02/09/entry_25004989/
http://japan.cnet.com/blog/takahito/2008/02/11/entry_25005025/
を読んだが、少しも同意できなかった。


mixi がなぜ流行ったかといえば、日本人に強くみられるムラ意識を上手く利用したこと。入会時の紹介制も「友達がやっているなら私もやってみようかしら」と、友人との繋がりを意識させる方向に働き、記事の可視性もマイミクを強く意識したものとなっている。また、つながりを意識するサービス精神は名前にも現れています。

Q. mixi の名前の由来

A.“mixi”とは “mix”(交流する)と “i”(人)を組み合わせたことばです。みなさんが友人との関係性の中で刺激を受けあうことで、これまでの友情をさらに深めてほしい、そして、これまでの友人関係から新しい友人を見つけ出してほしいという願いを込めて付けました。

mixiヘルプ

このようにmixiは非常につながりを意識したサービスであると言える


では、つながりとは何かということになるが、私は双方向に伝わる相手に注ぐ時間こそが、すなわちつながりの強さだと考える。対等であったとしてもなかったとしても交流があればつながりというものは存在すると私は考える。


弱いつながりを活用したサービスにTwitterやブログがあることを考えれば、それらとの差別化を図らなければならないmixiは強いつながりを活用していかなければならない。mixiのネットワーク自体が友人という強いつながりによって形成されている背景を考えれば、mixiが強いつながりを意識しなければならないのは当然のことだ。


さて、強いつながりを形成するために必要なのは何だろう?ここに非常に単純な利用時間についての方程式がある。

一人あたりにかける時間(=強いつながり)×人数 = mixiの利用時間

これが正しいとするならば、つながりをより強くしたいのであれば、人数を減らすか、mixiの利用時間を増やす必要があるわけだ。


しかし現状はどうだろう。mixiの規模はどんどん大きくなり、マイミクは増え、他の類似サービスが出てきたおかげで利用時間も減っている。これでは mixiには弱いつながりしか残らないことで、他サービスとの差別化が図れなくなり、mixiの存在意義そのものが失われてしまう。これが、今mixiが置かれている、ユーザー離れを招いている正体ではないか?


だとしたら、mixiがとるべき道は一つである。すなわち、規模の大小にかかわらず、変わらない閉鎖性を持つシステムを作ること。ユーザー数が増えようが減ろうが、変わらない可視性を維持するようなシステムにしていくこと。面白いことに今Web2.0ともてはやされていることの逆行でありながら、サイトを盛り上げるにはこれしかない。


もしかしたらいくつかのサービスの廃止も視野に入れるべきかもしれない。ユーザーの検索は必要かもしれないけども、記事の検索とか、ニュースとか、書評とか。全体で共有する意味がない。mixiを使っている俺が知りたいのは、ニュースについての見知らぬ誰かの鋭い意見ではなく、マイミクの彼がニュースに対してどう感じたかだ。mixiの中ではマイミクの「いやな事件だねぇ」という中身のないコメントですら、見知らぬ誰かの鋭い意見よりも欲しい意見だ。


とすれば、mixiに掲載するべき広告もおのずと絞られてくる。自分周辺で話題になりそうな、そういう広告を載せればいいのだ。顔ちぇきや姓名判断など口コミで広がっていくサービス系や、就活セミナー情報やフェスタなどのマイミクと行くイベント情報やら。旅行パックなんてのもいいかもしれない。そういうマイミクと共にできることを配信していけば、見られる広告になるんじゃないかなぁ。


閉鎖的にしていくことで、盛り上がるサービスという不思議な宿命を背負ったmixi。上のような記事に踊らされず、これからも頑張って欲しい。