絶賛されていて評価の高い作品をDISる人の動機

まあここまでの話は何となく理解しやすいかもしれません。次に我々が考えなければならないのは、『絶賛されていて評価の高い作品をDISる人の動機』かなあと思います。要はアンチハルヒとかアンチらきすたですげえトゲトゲしい文章書く人だとか、ニコニコのランキング上位でgreen big sitaで批判コメント書きまくる人とか。ハルヒ厨叩きやらきすた厨叩きじゃなくて、作品の批判をする人ですね。彼らの動機は一体どこにあるのか? 誰か考察書いてください。

http://m-s-r.sakura.ne.jp/2008/01/post_88.html

これは承認欲求ともう一つの概念、感情のすり替えによって説明することが出来ると思っています。

感情のすり替えとは、ある事項について自分が表に出せない感情を、別の事項への感情に替えてしまう行為だ。例えば上司が部下に仕事を割り振ったところ、平等に割り振られていないと文句を言ってきた。上司としてはきちんと部下に平等に割り振っている。そのことを事細かく説明しても納得しない部下。こういう構図はドラマでもよく聞くが、実は全く無関係な事に対して部下が怒っているなんてことが多い。その理由はこうだ。

彼の中に怒りがあったからだ。妻に対して怒っていたのか、自分自身に腹を立てていたのか。それともまったくべつの理由で上司に怒りを感じていたのかもしれない。そんなところに仕事を命じられて、一気に怒りが噴き出した。なんとか格好のつく理由が見つかったので、部下は内に抱えていた怒りを外に出したのである。

「話し方」の心理学 P78

これが感情のすり替えです。この用語は『「話し方」の心理学』という本から取っています。会話というものの体系的に纏めた本で、時の試練も潜り抜けた名著なので是非読むといいよ。俺も久しぶりに読み直そうかしら。


さて、『絶賛されていて評価の高い作品をDISる人の動機』について考えてみます。わざわざ評価の高い作品をDISるということは、行為そのものは非常にリスキー
。だって、評価高い作品をわざわざ窄めるわけだから、そこに明確な理由を持ち出せなければ窄めた本人の評価が下がることになります。にもかかわらず横行しているということは、何らかの感情のすり替えをした結果、評価が高い作品を窄めている可能性が考えられます。

ここにまともに認知されず一般には評価されていない作品があって、それを高く評価している人が居るとします。この人は他の作品にはあまり興味を示さず、示したとしても同様に一般には評価されていない作品ばかり。このような人は承認欲求を作品で満たすことが出来ません。むしろ『自分が好きなものを周りの人も好きだと思ってくれていないことで、自分自身が否定された気持ちになっている』でしょう。そんな中、大絶賛されている作品を見つけた時どうなるでしょう。怒りがその作品に向くことも十分考えられるでしょう。

自分の承認欲求が満たされないことが、評価が高い作品が承認されていることへの怒りにすり替えられ、さらにその怒りが、評価の高い作品をなんとか窄め用とした結果、DISるという行為を起こしているのではないか、と俺は推測します。自らの承認欲求が、他の作品を窄めるという形で具現化しているのではないでしょうか。

さらに考えを拡張すれば、単に承認欲求が満たされていない人でも、DISる可能性を持っていることになります。ということは、自分の作品が認められずに居る人もDISる可能性があるわけです。こちらは少数ですが、確実に居ます。


この感情のすり替えに対抗する方法は3つしかありません。

感情を表現させる
ぐっと言葉を飲み込んで、相手に話をさせる
相手に自分自身の感情を自覚させる
ひょっとしたらこう思っているのではないか、とたずねてみる。遠まわしの言い方を選ぶ。
批判せず、相手の感情を受容する
とりあえずそれを受容して相手を楽にしてやること

「話し方」の心理学 P76〜P90 一部中略

詳細は本書を見ていただきたいのだが、感情を上手くいなしてやることしかない。その方法が3つあるだけだ。

2chでよく取られるスルーは3番目の方法にあたるだろう。1番目,2番目の方法はスレをいくつも消費するから結局嫌がられる。


まあ、感情的に対処するのが一番ですね。

まとめ

感情のすり替えとは
ある事項について自分が表に出せない感情を、別の事項への感情に替えてしまう行為

DISについて

  • 行為は非常にリスキー
  • 何らかの感情のすり替えをした結果、評価が高い作品を窄めている可能性が考えられる

DISに至る経緯

  • 自分の承認欲求が満たされないことが、評価が高い作品が承認されていることへの怒りにすり替えられる
  • さらにその怒りが、評価の高い作品をなんとか窄めようとする
  • 結果、DISるという行為を起こしている

DISの対処法

  • 感情を表現させる
  • 相手に自分自身の感情を自覚させる
  • 批判せず、相手の感情を受容する

参考文献

「話し方」の心理学―必ず相手を聞く気にさせるテクニック (Best of business)

「話し方」の心理学―必ず相手を聞く気にさせるテクニック (Best of business)