あらゆる仕事はインフラになる

研究のプログラムが上手く動作しなくてむしゃくしゃしているので、適当に今思っていることを書きなぐる。

営業だろうと企画だろうと開発だろうと研究だろうとなんだろうと、仕事とは人が嫌がることを代わりにやってお金を頂くことです。それが自分にとって楽しいことかどうかは関係ない。そして、仕事とは常にパイが減るものです。それはコンサルティング業界やらIT業界、研究職という業種/職業が存在する以上、避けられないこと。

ただ、パイが減らないように見える業種もあります。例えば、ゲーム業界、テレビ業界、風俗なんかもそうですね。彼らは需要を生みだすことによりパイを増やし続けています。

しかし、需要を生み出すということは何かしら目新しさが必要。それは、人間全体にとってではなく、本人にとってであれば良いけれども、でもそういうものが必要。だからテレビもゲームも既にインフラになりつつある。

この間のInprotの夏野さんとひろゆきの講演を公聴させていただいたのだが、ひろゆきが「TBSは軒並み視聴率を落としたが、その中で一番視聴率が高かったのは再放送の水戸黄門だった」というお話がありました。

夏野
 過去に、TBS が番組改編して、60%を生放送にしたんですね。

 そうしたら視聴率が激減。

 ちなみに、再放送の水戸黄門が一番だったそうで。

 (会場爆笑)

6/12「インターネットの未来像:ポストインターネット」(夏野×ひろゆき)2

あれ、これひろゆきの発言じゃなかったっけ。まあいいや

これはTBS現在あまりよろしくないことを意図して出た発言ではありますが、もう一つ見逃せない事実があります。面白い作品は何度も見られるということです。
だからゲームもリメイクが売れるのも当然。


ということを考えると、最終的に残るのは新しい企画を打ち出してくことではなく、いかにして良いものを継続的に売っていくかになります。ゲーム業界も今は右肩上がりですが、必ずパイは下がっていきます。

このことは、畑村洋太郎先生も「技術の創造と設計」という本の中でおっしゃっております。

すべて産業の成長と衰退は、この図に示すような飽和曲線を描くのである。
(中略)
すべての産業は、生産量が少ない「萌芽期」、増えていく「発展期」、だんだんと増えなくなっていく「成熟期」。そして減っていく「衰退期」という4つの時期を通る。そして、非常に不思議なことだが、萌芽期の終わりから成熟期の終わりまでの期間は、どんなに産業かに関係なく、約30年になっているのである。

技術の創造と設計

このことを事実として捉えるのならば、例えばゲーム業界であれば、ファミリーコンピュータが登場した1983年を萌芽期の終わりとするならば、衰退期に入るのは2013年ごろとなります。今、ゲーム業界は空前の人気業界ですが、その人たちが働きざかりになるころには、ゲームを作り出す人たちのパイの減り方が半端なくなっていると思います。事実、テレビは既に衰退してきてますよね。少なくとも新しいことを生み出すことに関しては、かなり弱くなってきていると思います。

であれば、ゲームを作り出す人たちになるより、ゲームを継続的に提示する側になるほうが賢い。ただし、継続的な顧客が見込めるような方法で。だからリメイクは強い。某N社には内定を頂いた友人がいるので、ちょっと心配。ま、めっちゃ面白くて、頭の良い彼なら大丈夫だとは思うが。

近代?は研究はお金持ちが有り余った時間を使って趣味でやるものだったわけだが、現代もそう遠くない未来、同じようになるだろう。昔は手法が確立してなくて、現代は研究する領域がなくてと理由はことなるものの、結局のところ同じ状況になるだろう。

だから、会社としてもう残っている領域は、どのようにインフラを提供していくかになってしまう。ゲームも新しく作り出すことより、例えば過去のゲームを一緒にやっている感覚の共有に価値を見いださせることにより、継続的な収入を得る方向性に変えていかなきゃならない。プラットフォームビジネスとかまさにそんな感じだし。作る側は殆ど趣味であることが正しくて、時々ヒット作品が出て、そこから新しい発展がおこるかも程度で良いんじゃないかしら。製品をオープンソースにして、講習会でお金を取っているとかも同じですよね。

向いてることを仕事にし、好きなことは趣味でやろうということになるんでしょう。だから、需要を生み出し続ける業種につとめることは良い選択では決して無い。売り抜くことで一生過ごせるだけの収入が得られるのであれば良いが、そうでなければやめて、安定している企業に入るべき、と思う。

そして僕は博士後期課程を志しているという矛盾。はぁ。